自宅のこと






 私は築20年の中古マンションを購入し、リフォームして住んでいます。

 職業柄、さまざまなこだわりもあり、リフォーム費用は800万円ほどかかりました。
 最近は新築マンションの価格が下がっており、中古マンション購入費用とリフォーム費用の合計は、ほぼ新築マンションの価格と同じくらいでした。
 にもかかわらず、中古マンションのリフォームを選んだのは、新築マンションのプランでは満足できなかったからです。
 新築マンションのディベロッパーと打合せをして、プランや仕様の変更を申し込んだのですが、高額な改修工事費用を提示されてバカバカしくなり、購入をやめた経緯もあります。

 私自身も設計者として分譲や賃貸のマンションの建設に関わってきました。マンションは建売住宅と同じで、個々の生活者が決まっていない状態で設計をしなくてはなりません。従って、平均的なプランや仕様となってしまい、不自由はないけれど満足でもない住宅ができてしまいます。
 多機能なシステムキッチンや浴室、床暖房といった装備は、住空間の本質的な性能ではありません。
 「住まい」に独自のこだわりのある人達は、既成のプランでは満足できません。
 私のように一戸建て住宅を建てる資金のない人や、集合住宅が好きな人は「中古マンション+リフォーム」を考えてはどうですか?
 一例として私の場合を参考に見て下さい。





リフォーム前リフォーム後のプラン比較








オープンルームパンフレット

 リフォーム後、お披露目もかねて同じマンションの住民へ住戸を解放しました。
その時つくったパンフレットの文章です。

 リフォームの内容も書いていますので参考にして下さい。








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リフォーム後、お披露目もかねて同じマンションの住民へ住戸を解放しました。
 その時つくったパンフレットの文章です。



オープンルームのパンフレット

 住宅は永遠に完成しない建築といわれています。
 居住者の人数や生活様式の変化にあわせて、住宅も変化していきます。また、鉄骨鉄筋コンクリートの構造躯体は50〜60年の耐用年数を見込めますが、内部の設備機器や内装の耐用年数はもっと短いのが実状です。従って、建物自体の耐用年数の間に、1回〜2回の内部の改修工事が必要と考えます。
 与えられたスペースを無駄なく使い切ることにより、経済的で快適な日々の生活をおくる為に、よいタイミングを見計らって適切な改修を行うことをお勧めします。
 自分らしい生活を実現するためには自分の生活様式に合ったプランに改修することが必要です。今回はその一例としてこの室内を見て頂き、今後の改修の為の参考にして頂ければ幸いです。



改修プランについて

■4DKだった間取りを2LDK+1にしました。
 この住戸では部屋数をへらして、広々としたリビングルームを取ることを計画の骨子としています。どのようなプランにするかは各家庭の家族構成やライフスタイルにより様々です。ぜひ自分にあった住宅のプランについて考えてみて下さい。

■納戸をとりました。
 以前は和室一室を納戸として使用していましたが、使いづらく有効利用されていませんでした。納戸や収納にはそれに適した間口や奥行きがあります。それはそこに収納されるものから逆算して考えなくてはなりません。収納をうまく計画すれば住宅全体にゆとりができます。

■各室の床段差をなくし、バリアフリーにしました。
 住戸内の床に段差があるのは望ましいことではありません。特に1段だけの段差はつまずく原因となりやすく安全とは言えません。社会が高齢化していくなかで「バリアフリー」は住宅設計の常識となっています。床がフラットになると掃除機も非常に効率良く使用でき、入隅がないので埃等もたまりにくくなります。さらに、当計画ではスイングドアもスライディングドアもゴミ溜りとなる敷居や床レールを使用していません。

■床を防音仕様のフローリングにしました。
 最近の住宅では、ハウスダストやダニ等の問題をもつカーペットは採用されなくなり、ほとんどがフローリングの床になっています。木製フローリングの床は、木の持つ程よい硬さと清潔でやさしいイメージが、インテリアの雰囲気をより良いものにしてくれます。ただし、カーペットに比べて下階に音を伝えやすいという欠点もあります。そこで今回の工事では、ゴムクッション付きの束を使用した防音仕様の床組を採用しました。

■道路側のアルミサッシュを防音サッシュにしました。
 電車が通過するとき、テレビの音が聞こえづらくありませんか? また最近、道路の交通量が増加して騒音の原因にもなっています。防音サッシュはクレセントで障子を枠に引き寄せて気密性を上げることにより、外部からの騒音を防いでくれます。今日では交通量の多い道路や鉄道に近い集合住宅を設計する際、防音サッシュを採用することは常識となっています。サッシュの取付け工事をする際、この住戸のように古いサッシュを完全に撤去してから行う方法以外に、古いサッシュを撤去せず取り付けるカバー工法があります。

■道路側のアルミサッシュに反射複層ガラスを入れました。
 反射複層ガラスとは、2枚のガラスの間に乾燥した空気層を挟んで一体成形し、外側のガラスに熱線反射フィルムを貼ったものです。通常の単板ガラスに比べ、断熱性能が高いので空調効率がよくなり、結露もしません。また、熱線反射フィルムは昼間カーテンを開けたままでも外部からの視線を遮断し、夏場の強烈な熱線を軽減することにより、冷房効率もよくなります。

■最新のシステムキッチンを設置しました。
 20年前にくらべて、システムキッチンの性能は格段によくなりました。食器洗浄器などのオプションが充実しただけでなく、レンジフードの排気効率や静寂性、ガステーブルの使いやすさや大型のシンク等、基本的な性能が向上しました。掃除のしやすさや熱効率の良さから熱源を電化したキッチンを採用する場合も増えています。旧プランでは食器などの収納棚の置き場所があらかじめ設定されていないので、物が増えるたびに台所のエリアが拡大していました。キッチンのプランは当計画のように独立させて囲ってしまう方法や、ダイニングに向かってカウンターを設けて開放的な配置をする方法がありますが、いずれにせよ収納スペースを組み込んだ配置にする必要があります。

■便所にウォシュレットを設置して、浴室ユニットを大きなものに取り替えました。

■住宅のIT化について考慮しました。
 インターネット接続のパソコンや、ケーブルテレビ、デジタルテレビ等、電話以外にも情報通信端末を必要とする機器が増えてきました。そこで、各室に電話ケーブルやコンピュータネットワークケーブルを床下配線しました。



■仕様概要

     床:大建工業(株) DADスペースSP50HE日本建築学会遮音性能1級

  キッチン:ヤマハリビングテック(株) DOLCE(ドルチェ)食器洗い乾燥機 浄水器

ユニットバス:東陶機器(株) 低床スリムシリーズ内法 140cmX180cm

   トイレ:東陶機器(株) スタンドパルウォスレットアプリコット
             レストルームドレッサースリムタイプ|||

  サッシュ:三協アルミニウム工業(株) 防音サッシュサンミッテ|| 70
                   遮音性能 T-3(35等級線)

   ガラス:旭硝子(株) サンバランス断熱複層遮熱ガラス







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